北陸銀行長野支店長の左伝仁士氏に「事業承継」という演題でお話していただきました。
当行の創業は1877年。2004年には北海道銀行と経営統合を行い、本店を富山市に構える広域地銀として成長してきました。長野市には75年前に開業し歴史ある銀行でもあります。
後世に経営を繋いでいく事業承継は単に経営者の交代ではなく、後継者問題や株式問題、今後の成長等トータルで考える必要があります。コロナ禍のような疫病等外的環境も考慮し早め早めの準備が必要です。60%以上の企業は後継者がいないという時代です。株主構成・評価額をしっかり把握し、承継時に備えることが大切です。持ち株会社を設立し評価額を抑えたり、暦年贈与や相続精算課税制度等を上手に活用していく事も必要です。
2025年には全人口の50%超が50歳以上となり労働人口が減退、人材は今後慢性的に不足していきます。市場も縮小傾向にありますので自動化の設備投資を行い人がいなくても回る様にしていく備えも急務になっていきます。
子息は社内にいるもののまだ経営を任せられるべきではないと悩んでいるケースが多く親族・社内・第三社の承継割合はほぼ同率です。ただし今後は親族外承継がますます増加する傾向でM&Aも増加しています。今後いかに企業が存続し成長・発展していけるか。また残される従業員や家族の未来をいかに築けるかを考え、時代の変化に対応しながら新たな試みで承継に取組む必要があります。
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