地域商業文化を創造する会 神戸姫路研修旅行 報告書

■日程

■中央タクシー

 弊社の空港までの定額ジャンボタクシーをご利用いただきました。ありがとうございます。この後にMKさんに乗車いたしましたが、当社の課題も感じながら乗車させていただきました。ありがとうございます。

■FDA

 以前に4C会で鈴与商事様からお話をいただき、その際に「FDAを就航させる」という情報をプレスリリース前にお聞かせいただいていた経緯がありました。その航空会社に乗れたこと、そして、たまたま神戸行きが決まった後に、松本―神戸間が就航されたことが、なんともご縁を感じるものとなりました。神戸まで1時間で到着し「近くなったなぁ」という声がみなさまから聞かれました。今後、新しいこの航路がビジネスや観光で活かされると思われます。私たちの商いにも活かせるのではと可能性を感じました。初月の稼働率はたしか80%超えと新聞に掲載ございました。
*空港内の唯一の食堂「城下町」のお店のお母さんがとても親しみのある方で、とても楽しい時間でした。旅においてさりげない人の出会いややさしさに触れることはとても大切ですね。

■MKタクシー

 空港からの定額ジャンボタクシーで瀧本本家酒造様へ向かいました。黒塗りで、シートカバーもしっかりしたもので、車内も綺麗に整頓されていました。ドライバーの方も親切で運転も上手でした。全国の政令指定都市に展開し大規模になりながらも質を高く提供できることは素晴らしいと感じました。私は直々に学ばせていただける機会となりました。ありがとうございます。

■白鹿酒造

 遠藤会長のご紹介により白鹿で有名な辰馬本家酒造様にお伺いしました。日本酒造りは、今や製造業、装置産業といっても過言ではないと感じました。瓶詰においては1日10万本を出荷できると聞いて耳を疑う程でした。酒蔵でお仕事することは、お酒についての知識だけではなく、機械装置をオペレーションする能力も大変重要であることを感じました。タクシーも車が自動化され、高速道路では運転から解放されるようになると、情報収集能力や接客など、これまでと違う能力が必要とされていくのではと感じており、そうした現象を先行しているモデルとも捉えられました。
 日本酒の味わい方もご教授いただきました。また、博物館では酒造りの歴史にからめ、震災の傷跡という観点でも教えていただき、災害の恐ろしさ、復興してきた底力を感じつつ、企業が今後今まで以上に災害に対して備えていくことの必要性も感じました。
 また、神戸という町が、港、上質な湧水、米どころという条件を兼ねそろえており、いかに酒づくりに適しているのかということも教えていただきました。まだ、車もない時代に、港が近くにあることで東京にも運べることが可能であり、市場を大きく拡大することができたというところは、商いにおいて立地というものがいかに重要であるかを実感しました。また、新しい工場やビルと歴史建築を上手に融合させており、歴史を大切にしながら新しい展開を推し進めていく企業の哲学も感じ取ることができました。

■六甲山夜景

 標高約880m、六甲山頂近くで夜景を楽しみました。市街地より5℃程気温が低く、素晴らしいロケーションでしたが、六甲おろしが身に沁みました。寒い中でも、カップルや修学旅行生が多く、バスもたくさん止っていて、とても活気がありました。1番で消費される電気料金に換算すると100万ドルということが100万ドルの夜景の由来と教えていただきました(?)。

■エクシブ有馬離宮

 圧倒的なスケールと豪華絢爛な建物で、優雅なひと時を過ごさせていただきました。パノラマビューの露天風呂、上質なディナーと朝食。広く快適な客室。遠藤会長のご紹介でリーズナブルにもしていただけて、本当に贅沢な時間をすごさせていただけました。こういう優雅さを求めているお客様というのは多いのだと感じながら、満喫させていただきました。遠藤会長ありがとうございます!

■神戸観光

 『異国文化が集まるハイカラタウン』幕末の慶応3年(1867年)に開港した神戸。日本の中に外国文化が随所に感じられ、異国感漂う街並みが本当に魅力的でした。山、街、港がコンパクトに集約されている感じで、食も豊かであり、川崎重工からも、こうした立地が陸海空の産業を育てたことにもつながるのだと感じました。立地のもつ力や大切さを実感いたしました。

■有馬温泉の瑞宝寺公園の紅葉

 紅葉の色づきがベストのタイミングでした。太閤・豊臣秀吉が愛した有馬温泉瑞宝寺で千利休と茶会を開いていた地であり、「いくら見ていても飽きない」と言わしめた紅葉の名所でもあります。時間も早かったこともあり、空いていて贅沢に散策できました。MKドライバーさんの提案で当日プランに加えました。タクシー観光はこういう当日の状況やみなさんの声を聴きながら柔軟に楽しめるところは良いところだと肌身で感じることができました。


瑞宝寺公園


風見鶏の館


館内

■異人館

 異人館は「風見鶏の館」「萌黄の館」を見学しました。外国人設計士の監修で宮大工が建てるこれらの館は和魂洋才を感じさせ、異文化が統合することにより作り上げられるものは素晴らしいと感じ、まさにこの会のように異文化により新しい文化が創造されたことを表す建物であるといえます。日本はまだちょんまげ姿でいる時代に、西洋文化がはいりこむということが、当時暮らしていた日本人にとってどれほどのものであったのか、想像がつきません。いつの時代も激変の時と言われていると思うのですが、この時代の方々は西洋文化を上手に取り入れながら真似するだけではなく昇華させているようにも建物をみながら感じました。私たちのこれからのインターネットや情報に価値が生む世の中でどう過ごしていけばよいのかを考えるのに参考になるのかもしれないと感じました。

■フロインドリーブ

 教会の中にあるカフェ。クラシカルでありがならモダンであり、異国情緒を漂わせている、まさに神戸らしい素晴らしいお店でした。強くお勧めくださった保坂さん、ありがとうございました。建物だけでなく、食事も美味しく、価格も高すぎる感じではなく、お客様は絶えず途切れずに来店している状態でした。花岡会長、青木社長は、ディナーのステーキが待ち構える中で、サンドイッチに加えケーキまで召し上がっていらっしゃいました。健啖家であると驚きましたが、それだけ、美味しく、魅力的なメニューでした。みなさんに、1階で販売しているお菓子を美味しいクッキーをサービスしてくれていました。お食事後、みなさんお土産を購入されていました。

■アシックスミュージアム

 靴ひとつでも、あらゆる場面に適した用途開発における壮絶な歴史が感じられました。私たちの商業の業種一つにおいても極めていくに際限はないと教えられたように思います。世界のトップアスリートの繊細な感覚に応えていく、つまり選手の成績の背景にはこうした数多くの支援の上に成り立っている。お客様の生活に必要な支援を企業活動を通してどこまでできるのかと考えさせられました。有名アスリートの実際に使っているモデルを見たり、触ったり、体験したり、楽しみながら勉強することができました。

■UCC

 珈琲も神戸が発祥の地です。缶珈琲はUCCが世界で初めてつくりました。見学をしながら、途中、UCCの沿革と展示物があるコーナーがありました。そこで花岡会長から、「こうした新しいことを始めることに必ず苦難がおとずれる。そして、その苦難を幸運(チャンス)と捉えられることが大切だ」と自らのご経験をもとに教えていただくこともできました。大変勇気をいただき、挑戦していくことや、諦めないで方法を考え抜いていくことを大切にしようと思いました。また、やりきれたとき、振り返れば、あの苦難があったからこそ今があると思えるということは印象的でした。決意を新たにできました。

■海洋博物館

 川崎重工の展示物を見学しました。造船に端を発し、陸海空と幅広く展開している製品に触れることができました。お子様も楽しめるような内容でしたが、大人も十二分に楽しめ、学べる博物館でした。今は情報化社会に移行している世の中ですが、これまで、この重化学工業が日本の基幹産業として寄与してきたことを実感するところでもありました。

■ポートタワー

 神戸の夜景を360度見渡すことができました。景色を眺めながら、みなさんそれぞれ色々な会話をして楽しみ、学ばせていただきました。


夜景


タワー内

■中華街

 ディナーまで少し時間がありましたので、中華街をサーっと歩きました。横浜の中華街のような雰囲気で明るく賑わいもありました。神戸牛の店も多くありましたが、最近増えているらしいのですが、実際は神戸牛ではないようです。和牛といっても外国産の和牛であったり、本当の神戸牛というのは希少で、多くは出回ることがないため、お店が増えているが、本当の神戸牛がいきわたることはありえないということでした。台湾ラーメンなど、露店の中華は300円くらいで販売していて、とっても美味しそうでした。みなさんグッと我慢して車に戻りました。

■舞彩

 エコリングの桑田社長のご紹介でした。観光客お断り、地元の常連さんのみで営むお店。お店は決して豪華でも綺麗でもありませんが、最高級の上質なお肉と、マスターとのコミュニケーションがとても楽しいおお店です。カウンターのみですから貸切となり、慌てることもなく、くつろぎながら美味しいものをいただくことができました。マスターは牛をさばくところに直接出入りすることができる方で、自分の眼で確かめて仕入れできるので、間違いない品質のお肉があることが自慢のお店です。神戸牛という品種の牛はおらず、兵庫県産但馬牛の中でも厳しい条件を満たした最高級の牛に与えられる称号が神戸牛。脂っこいような差しではなく、まさにちょうどいい加減で、最高級の美味しいお肉を堪能させていただきました。

■エコリング

株式会社エコリング
 有名ブランドバックや貴金属など使用しなくなった商品を適正価格で買い取り、ヤフオクや業者販売で売る。つまり、質屋をネット販売で進化させたビジネスモデルを日本で最初に確立させた企業です。2016年 売上145億円 海外で12億円 今期は200億円に確実に届く予定。フランチャイズ店含め全国に82店舗。
 タイ、本館、カンボジアでも展開。社員数393名で幹部の多くは苦楽を共にした創業メンバーです。創業者は、当日ご講演いただく桑田一生さんです。
 リサイクルショップは数多くありますが、エコリング様の特徴は、店頭が買取専門であることです。お金がなくて窮地に追い込まれていたころにネットオークションで家にあるものを売っていた経験がこのビジネスモデルの原点です。ですから、エコリングでは、買取した在庫をヤフーオークションや業者間取引で販売します。日本で売れなきゃ、香港、台湾、シンガポール、最後はカンボジアで寄付する。可処分所得の高い順で流していきます。また、「本物の質屋は買ってから、どう売るかを考える」という姿勢をポリシーにしています。リアルの販売店がないため、その管理や人件費は発生しないので高い収益性があるともいえます。
 販売カウンターや各店舗から集められた、ボロボロのお洋服から、数は百万の宝石や時計が、所狭しと各階で仕分けされ、ネットで販売したり、そのための撮影をしたり、ライブでウェブカメラで中国とつないで対面販売したり、ネット上で業者間オークションをしたり(自社開発システム)、ネットを通じて世界へ販売していく現場も見ました。梱包する方から、システムを動かしている方、みなさんの一生懸命に前向きにお仕事に励まれている姿も印象的でした。
 マーケティングやITの時代での戦略、イノベーションの起こし方など、幅広くお話をいただきました。終始わかりやすいお話は、物事をとてもシンプルに考えられていて、また、自らが実行をして失敗も成功も体験しているうえに立って話してくださるため、大変わかりやすく説得力がありました。そして、心の底から湧き上がっている情熱が煮えたぎっていて、言葉に力がみなぎっていました。『「僕と出会ってよかった」そう思ってもらえることが自分の何よりの大切にしていることなんだ』そこが、桑田社長の原動力であることが伝わってきました。そんなに挑戦をしてリスクが高すぎないかという質問に対して「私はもう十分に個人資産も得ました。お金は必要ありません。社員さんに幸せになってほしいという願いがあります。そこに向かって挑戦をします。挑戦は生きる意味そのものです。会社を成長させていくけれど、今の社員だけで成長していきたい。そのことで社員の年収は全員600万円以上にすることが実現できる。毎年50万円ずつ高めていく、そう社員さんには伝えています。世界の所得は高くなり、日本は低くなっている。学校教育は崩壊しつつある。その中で貴重な優秀な人材さえも、このままではみな海外に逃げてしまう。エコリングは海外市場にも進出を広げ強化するにも、世界に負けない人材が必要になる。そういう観点でも社員さんの所得をたかめていく必要があると考えている。経営者は社員に稼がせていてはいけない。自らが稼ぎ、自らが稼げる環境を与えられるようでなければならない。竹やりを渡して闘えと言ってはならない。優れた武器を与えられるように経営者は努める必要がある。」熱い答えがありました。松本社長の質問から白熱したやりとりがあり、とても勉強になりました。
 青木社長もご質問をしてくださいました。「世の中には同じ仕事でも成功する人もいれば、失敗する人もいる。リサイクルの仕事において、成功する人、失敗する人がいる。桑田社長はその違いはどこにあると考えますか」という内容でした。桑田社長の答えは簡潔明瞭でした。「やりすぎてはいけないということだと思います。物事は「ほどほど」がいい、完成させてはいけない、中途半端でもいいと考えている。身の丈を超えて投資しすぎたり、やりすぎたりしてはならない。それは原理原則です。物事にはすべて陰陽がある。うまくいっても、完成した瞬間に陽から陰に転じる。それがすべてにおいての原理原則なのです。だから、やりすぎてはいけないのです」。この答えから、本当にお話は常にシンプルですが奥が深いことを感じさせられ、常に学び続けている桑田社長を感じました。戦略や戦術論も先見性もビジョンも素晴らしいのですが、その根底にある桑田社長の哲学の深さにも一同感銘を受け、大変大きな刺激を与えていただきました。お話も尽きない感じでしたが、お時間が迫り名残惜しさを感じながらエコリング様を後にしました。
 また、たちばなの松本社長は、エコリング様と今後コラボできそうな点があり、前夜のお酒の席でお話が盛り上がっていました。着物という商品が、インターネットリサイクルとして海外にも価値が提供されていくかもしれないことに、私も胸が高鳴る思いです。

*不慣れな幹事で行程表がお手元に届くのが遅くなるなど、至らない点が多々ございましたことお詫び申し上げるとともに、みなさまのご協力のおかげで無事に終えられたことを感謝申し上げご報告とさせていただきます。ありがとうございました。

以上

令和元年11月 発行者:宇都宮司

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