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伊澤 紘樹氏に「これからの経済はどうなる？−２つの通説を疑う」という演題でお話いただきました。
「日本は外需依存国家」とよく言われますが、輸出・輸入依存度は韓国や中国のアジア諸国、ドイツやイギリス等のヨーロッパ諸国に比べて低いのが現実です。経済成長への輸出の寄与度が大きいというのが正しいと思います。また輸出品の内容を見ますと資本財の割合が７０％以上で工業生産のための必需品が多く、競争力は高いと言えます。
「円高は脅威」というのもマスコミが常に使いますが、円高の効用については報道されることがありません。小売業や消費者にとっては輸入価格が下落することは良いことですし、円高で増益になる企業で働く人の方が、減益になる企業で働く人よりも多いのです。
世界の主要国の景況感、株価、消費支出等のデータは改善方向にありますが、一番影響力の大きいアメリカ経済は、消費が上向く気配がない、銀行の不良債権処理が進んでいない、巨額の国債の引き受け先があるか、と３つの問題を抱えています。世界全体の経済は安定化を示す兆候はあるものの、引き続き大きなリスクが存在し、２番底の向かう可能性もあります。
今後の世界は底力で成長するアメリカとGDPで日本を抜く中国のビック２の時代になります。少し長い目で見ると世界の成長スポットは西へ西へと動きますから、アフリカの時代になります。日本は世界の成長センターである振興国と組んで経済成長を図り、経済成長で格差問題を克服していかなければいけません。
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▲講師紹介をする竹村 猛志氏
▲元朝日新聞社モスクワ支局長 伊澤 紘樹氏
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