(株)八幡屋磯五朗の室賀豊社長に「八幡屋磯五朗の経営について」という演題でご講演いただきました。
300年ほど前から善光寺で商売を続けさせていただいており、私で9代目になります。東京・浅草の「やげん堀・中島商店」さん、京都・清水の「七味屋本舗」さんとともに七味唐辛子の日本三大老舗と呼ばれています。
今年3月に間口を2倍にして新店舗を開店しました。創業以来店売りだけでやってきましたが、1980年代から卸売りを始めました。98年の冬季オリンピックを契機として知名度が上がり、現在は80%が卸売りになっています。 商品の独自性や歴史を重ねていること等の長所の分析と、同業者がいないことや社内意識の問題等の短所の分析に基づいて「いいものを安定的に供給する」「価値を発見して紹介する」ことを経営の目標にしました。
具体的には「製造設備の見直し」は製造工場を桜枝町から柳町へ移転したのを契機に行いました。工場は八幡屋プロダクツという別法人にしています。「原材料・資材の確保」のためには中国の農場見学からはじめ、八幡屋ファームという農業法人をつくって栽培も手がけ始めています。今長野県の山間地の農業は農業者の高齢化や野生動物による被害の拡大など多くの問題を抱え、存続の危機にあります。八幡屋ファームの生産量はわずかですが、ここで実験したノウハウを地元の農家に公開するとともに生産物を仕入れて、地元の農業に貢献していきたいと考えています。
「商品デザイン・包装材料の見直し」「広告宣伝の強化」にも取組み、デザイナーを2人採用してしまいました。地元のスポーツ団体に協力、野球、サッカー、アイスホッケーに協賛し、スピードスケートの選手を雇用しています。
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