
▲久世良三氏(株式会社サンクゼール代表取締役社長)
|
|
会員ディスカッションの予定でしたが、会員からの強い要望により久世社長にサンクゼールのアメリカ進出についてお話ししていただきました。
2015年3月から次男の久世直樹常務を米国に派遣し、市場調査や立地調査を進めてきました。今年4月29日に工場等の資産買収契約調印式を行い、5月1日に入社式、2日には初回生産をスタートし、製品の国内店舗での販売も好評でした。
海外進出はリスクが大きく迷うこともありましたが、創業した私たち夫婦の退職金をつぎ込むことにして実行しました。アメリカに大きな投資をし、雇用を広げ、現地企業から原料を購入し製造した製品をアメリカ国内及び日本で販売するという、まさにトランプ政権の政策にマッチしているため、地元のオレゴン州には暖かく迎えてもらえ、調印式では知事にスピーチをしていただき、多額の補助金もいただきました。市場調査や工場買収にはJETOROや日本領事館の協力・仲介もありがたかったです。
進出したオレゴン州はアメリカ北西部に位置し、日本に近い州であり、車で3時間半のシアトルは日本への玄関口で日本向けの輸出生産拠点として最適な立地です。豊富な水源に恵まれ、水力発電による電力が安く、消費税がなく法人税も安く、勤勉な労働力が豊富な経営資源に恵まれた州です。州都ポートランドは人口58万人の都市ですが、周辺は豊かな畑が広がる農村地帯になります。寒暖の差が大きく果樹栽培の適地です。果樹の収穫期に降水量が少ないため果実が病気になりにくく、雨季の冬は気温が下がり果樹が長期休眠するため収量が安定する農産品に恵まれた立地です。
|