▲瀧本孝宏氏(長野牛乳社長)
▲花岡久二氏(一休さんのはなおか会長)
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長野牛乳株式会社の瀧本孝宏社長に「毎日に感謝して」という演題でお話ししていただきました。
昭和18年に中条村で地主の3男として生まれました。農地解放で生活が苦しい中、大学を卒業させてもらいましたが、就職試験にすべて落ち、いとこの代わりに入社したのが今の会社です。
昭和12年に長水牛乳商業組合として設立され、入社当時は長野牛乳商業協同組合になっていました。その頃長野県に進出してきた雪印乳業の取引が100%で経営は安定していました。組合ですから経営判断が組合員の一人一票に左右され、保守的になりがちで新しい取組が遅れました。また予算や事業計画の単年度制が強く投資ができにくい組織でした。この二つが危機につながって行きました。
平成12年6月に大阪で雪印が食中毒を出したときは雪印のマークが入ったものがすべて返品されてきました。この時は雪印に1000億円の預金があり、売上と利益を保証してもらえました。平成14年1月に牛肉の食品偽装事件が起こったときは、雪印にはもう余裕がなく、自分で対応するしかありませんでした。周りは誰もがいつ倒産するかだと判断していました。その環境で新たに販売先を開拓し、銀行から融資手形の書き換えを断られたときは、支払を一月伸ばしてもらい対応しました。
組織を組合から株式会社に変更するのには15年以上の時間がかかりました。雪印に守られていましたし、組合員の酪農家は国から補助金をもらう保守的な方が多かったのです。平成16年10月に事前に同意文書を集め、1分の総会で変更してしまいました。
経営の自由度が上がって、売上が伸び、製造機器の償却も終えることができ、同業が400社の戦国時代ですが、大チャンスだと思っています。昨年から地元川中島の果樹を使用したジュレの生産販売の新事業の立ち上げも成功できました。
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