川中島建設株式会社の加藤智久社長に「地方建設業の集中と進化」という演題でお話ししていただきました。
建設業界は日本全体で見てもマーケットが縮小し続けている構造不況業種です。長野県内では、大きく予算を減額させた田中元知事を悪く言う方もいますが、時計の針を早く進めただけだと考えています。この環境で、当社にとって「集中」は決断の連続であり、文字通り不採算部門を「決めて断つ」ことをしてきました。平成17年にピーク売上18億円の建築部門から撤退し、18年には売上8億円の子会社の部門整理をして3億円に縮小しました。業界の年金基金からは19年に退会しました。撤退すると組織がみるみる弱くなって行きます。局所的に小さくとも勝ちながら、引くべきところは引くことを進めました。撤退の決定者を明確にして社員が迷わないようにもしました。
進化する基本は誰も行かないところにチャレンジすることにしました。喧嘩に勝つ秘訣である「強い人とは戦わない」の応用でもあります。他人がやりたがらない事業に力を注いできました。土壌改良事業は汚染された土壌をきれいにするのですが、汚染土壌は文字通り汚くて臭く基本的に嫌な仕事になります。法面事業のひとつで落石対策工事をやりますが、高いところは地面から200メートルもあり、少しでも高所恐怖症のある人が出来る作業ではありません。落石対策が必要な個所は長野県内で2000箇所もあり、国内年15億円の工事量を10社で対応しています。広いエリアで単品を売るために、広く顧客を人が訪問し、ニュースレターで見込み客をフォローし、先方の要請により打合せ、責任者と直接会う4ステップマーケティングをしています。
|