4C会令和6年度鹿児島研修旅行

■参加者 
 遠藤秀三郎 酒井志郎 村山幸造 花岡宏樹 宮川岳洋
 松本亮治 宇都宮司 西原弘樹

■研修訪問先
 11月6日 知覧特攻平和会館

 11月7日 有限会社マルナカ 有限会社くすもと食品
      株式会社牛一  一般社団法人グッジョブかごしま

 11月8日 社会福祉法人天祐会 仙巌園 


◆◆◆11月6日◆◆◆

■知覧特攻平和会館

 知覧特攻平和会館は、鹿児島県南九州市知覧町郡にある歴史博物館です。第二次世界大戦末期に編成された大日本帝国陸軍航空隊の特攻に関する資料が展示されています。

 展示は、遺書や手紙などの遺品や、当時の衣類、装備品、また零式、疾風、隼といった航空機も当時の姿のまま保管されていました。

 「永遠のゼロ」などの映画や小説から、当時特攻隊があったことは知識として持っていましたが、実際にその当時を物語る資料を目の当たりにすることで、当時の隊員の苦悩や特攻に向かう若者を支える人々の姿を、実際に起きた出来事として実感することになりました。生きることの意味、死に向かっていくということについて、学び、考える機会となりました。

■夕食:いちにいさん

 夕食は、今回アテンドいただく株式会社牛一の肥後社長にお薦めいただいた黒豚しゃぶしゃぶをいただきました。

 蕎麦つゆに浸して食べる甘い黒豚のしゃぶしゃぶはとてもさっぱりと食べられ、お肉をお代わりするほどでした。

 翌日からの研修を前に、鹿児島県の食文化に触れることができ、英気を養う機会となりました。天文館の夜を楽しみ、締めのとんこつラーメンは、ご当地ならではの甘いスープが印象的でした。

◆◆◆11月7日◆◆◆

■有限会社マルナカ



 鹿児島市内から車で1時間ほど移動し、薩摩川内市にある、有限会社マルナカ様へ訪問しました。広告なしで毎朝開店待ちの行列ができる、商品力で地域から愛されるスーパーを営まれています。

 開店前、今回アテンドいただく牛一の肥後社長と合流後、店舗前で田中社長、田中会長のお話を伺っていたところ、続々とお客さんの車が駐車場を埋めていきます。開店間近には、店舗入り口に長蛇の列。「今日は何があるかな?」と思ってもらう品揃えとのお話しがありましたが、お客さんの声を聞いても同様の回答があり、ターゲットとの意思疎通が十分であることが素晴らしいお店づくりの根底にあるのではと感じました。

 店舗入り口前の目玉コーナーがあるおかげで賑わい感が外からでもわかるレイアウトや、商品の説明や、調理方法、こだわりのポイントなどが手書きポップでわかりやすく掲示されていたり、顧客とのコミュニケーションが店舗内でしっかり行われていることが見て取れます。そういったひとつひとつの積み重ねがチラシに頼る必要のない経営に結びついているのではないかと感じました。

 店舗見学後、会議室で田中社長のお話を伺いました。会社の歴史から大型チェーンストアとの差別化や、女性活躍など今後のビジョンについても幅広くお話を伺うことができ、活発な意見交換が行われました。

■有限会社くすもと食品

 昼食は、豆腐料理をいただきに、くすもと食品様へ訪問しました。

 2023年の全国豆腐品評会で農林水産大臣官房長賞、金賞を獲得した絹ごし豆腐や、工夫を凝らした豆腐づくしのお膳をいただきました。湯葉の食べ放題もあり、ヘルシーながら、ボリュームも大満足な昼食となりました。

■株式会社牛一



 昼食後、牛一へ訪問しました。旅程にはありませんでしたが、今回の訪問先の設定をしていただいた肥後社長のご厚意でお伺いしました。

 カタログギフトからの受注が好調で、地域の食材を全国に発送されている仕事がメインになっているそうです。事業に対する思いや、社員とのコミュニケーション、「牛一新聞」など、肥後社長の人間力が様々な会社の取組に行き渡っている様子が伺えました。

 一方で日々多くの個別発送に対応するための発送業務、在庫の管理、切り出し作業などが非常に効率よく行われているお話も伺っており、理念が実際の仕事と深く結びついていることも、お話から推測されます。今回は短い時間の滞在となりましたが、ゴルフが趣味(シングルハンディ)とのことでしたので、また芝の上で深いお話を聞く機会が作れたらと感じました。

■一般社団法人 グッジョブかごしま



 グッジョブグループは、株式会社サクラバイオ、一般社団法人グッジョブ鹿児島、株式会社ミエルカ、株式会社清友、NOP法人グッジョブサポートで構成される、未就学児から大人まで、幅広く地域密着で障害者就労支援を行う企業グループです。代表の宮之原様にお話を伺いました。

 松本さん、宇都宮さんと実際に障害者就労支援事業を展開されている会員もいたことから、より具体的な取組についてのお話まで伺うことができました。私は初学でしたが、精神障害のリワーク支援を受けている最中ということもあり、今後増えてくるであろう精神障害、発達障害といった生きにくさに向き合っている方の雇用について、深く考える機会となりました。

 自治体による取組の温度差や、早期から、障害者自身が自分と向き合うことで「自分らしく幸せに生きていくことを選択できるスキル」を身につけることができる支援施設を目指されているというコンセプトに、また、そのために働ける空間として天文館のパーラーなど、就業の場を自ら経営されているというお話を伺い、会社が社会とどうつながるべきなのかということについて改めて考える良い機会になりました。より良い経営を行うための有効な手段として障害者の雇用を検討する必要があるのでは、と感じました。

■夕食:さかなちゃん

 肥後社長おすすめのさかなちゃんで、懇親会を開催しました。なかなか味わえないご当地の海鮮料理に舌鼓を打ちながら、さまざま情報交換を行いました。また、昨年訪問した高知で出会ったべろべろの神様も降臨し、大変有意義な懇親会となりました。

◆◆◆11月8日◆◆◆

■社会福祉法人 天祐会



 最終日は鹿児島市内で介護施設11施設を経営されている社会福祉法人天祐会様へ訪問し、理事長の長田様に話を伺いました。生い立ちから、現在の事業に至るまで、また、今後の展望について赤裸々に、明るくお話いただきました。

 認知症患者に特化した福祉施設を経営する中で、利用者の方の夢を叶えることでことで、従業員のモチベーションを高めていくといった手法や事例は、報酬などの自由度が低く差別化が難しい業界における、お金ではない報酬の一つになっているというエピソードが、今後の経営に必要な視点の一つではないかと思いました。しかしながら休日返上で下見をし、叶えてあげたというお話からは、そこを業務で(有償で)できない苦しさも垣間見えました。

 「ふつうの、くらしを、しあわせに」福祉とはの語呂合わせのようですが、長田理事長の福祉に対する想いが込められた素晴らしいコンセプトだと感じました。子育ては有期限、介護は無期限ということも言われます。今後ますます不自由さを感じながらも生きながらえる社会になっていく中で、どのように捉えて取り組んでいくか、大きなテーマに挑まれているなと感じました。

■仙厳園

 旅の最後は、仙厳園に訪問しました。道中では西郷隆盛の銅像などもあり、ご当地の歴史や、島津家と天皇家のつながりなど、また、当時の造園技術の高さや暮らしぶりに触れることができ、また違った側面から鹿児島について学ぶ機会となりました。

■おわりに

 今回鹿児島への研修旅行では、多くの企業へ訪問し、その取組について多くの学びがありました。現地でアテンドしていただいた肥後社長には、旅程のほとんどをご準備いただきました。改めて、感謝申し上げます。また、肥後社長をご紹介いただいた村山社長、グッジョブグループの宮之原様をご紹介いただいた宇都宮社長におかれましても、素晴らしい研修旅行を構成していただき感謝申し上げます。

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